Matsubara工房という屋号で特注品対応をはじめました。でも職業欄は農業ですので農業ネタもあります。
JP赤道儀 モータードライブの究極を目指して
2016-11-25 Fri 00:36
EM-200をNS-5000化されたお客様からJPが2台あるので一台は遠征用もう一台を自宅での運用にNS-5000化したいと相談がありました。遠征用はベルトドライブ駆動で自宅用は究極の駆動系が欲しいとの事でした。

理由は太陽観測をしたいとのことで追尾精度が良くないと太陽フィルター画像の細かいとこの表現力が落ちるとの事です。以前お手伝いさせて頂いたチロ60cmフォーク式赤道儀の駆動システムをダウンサイジングして実現出来ないかとの事でした。

チロ60cmフォーク式赤道儀は天文ガイド誌などにも掲載され動画もユーチューブで公開されています
 https://www.youtube.com/watch?v=-3gx1IHVXXU

この大きな赤道儀もNS-5000でコントロールしています。
導入速度は600倍でガイドレスポンスも良くオートガイドで撮影が出来ます。

このクラスの望遠鏡になると駆動系もステッピングモーターでなくACサーボモーターを使う事が多いのですが扱い易く振動の少ないステッピングモーターで脱調を自動補正するオリエンタルモータ製のα-STEPシステムにて減速器にゼロバックラッシュのハーモニックドライブギアを組合わせた物をカップリングを介してウォームギア軸にダイレクトで接続しています。原理上、バックラッシュは赤道儀ウォームホイール/ギア部のみとなります。

JP赤道儀で追尾性能を高精度化しようと考えた場合駆動システムの選択も大事ですが機械系の構成も大事です。ギア式はバックラッシュが多いですしベルトドライブはギア式より好成績ですがダイレクトカップリングには原理的に及びません。ただし、ダイレクトカップリングはウォームギア軸にタンデムに設ける必要があるので突起物となります。特に赤経軸は真横に飛び出す形となってしまいます。

赤道儀本体のウォームホイールのピリオディックモーションも気になります。ピリオディックモーションは加工精度で決まりますが実際の赤道儀は長期の運用によりウォームホイールの偏摩耗が少なからずありバックラッシュを抑えるべくウォームギアとの与圧調整を詰めるとフリクションの変化(部分的に増加)となって追尾精度の劣化要因となります。

また、JP/NJP赤道儀は最終型のNV仕様(ニードルベアリング仕様)であってもウォームギアのスラスト方向にベアリングが入っていませんので姿勢変化で構図ズレやガイド精度が劣化する要因となります。

高精度化に向けて
①α-STEP+ハーモニックドライブを駆動モーターとする。
②赤道儀とモーターはダイレクトカップリング方式とする。
③NS-5000 PLUS/DIR仕様をコントローラとして使う。
④ウォームギア軸のフルベアリング化。
⑤ウォームホイールのラップ研磨の実施。
⑥制御部と赤道儀を繋ぐケーブルはワンタッチ式とする。

実際に進めて行くうえでハードルが思った以上に高かったのは⑥です。α-STEPの信号線はモーター駆動用、レゾルバー用の電源、信号線など全部で10本ありますがサイズと電気的仕様がマッチしたワンタッチ式コネクタがなかなか見つかりませんでした。それから②も難しかったです。この部分はチロ望遠鏡製作者の川上様にお手伝い頂きました。

出来上がった物がこれです
JP_バックラッシュレス駆動 駆動モーターと制御系(仮配線でテスト中)

制御部は制御盤用のプラボックスに納めました
制御部外観 制御部内部

制御部外観とその中の様子です。α-STEPのドライバーユニットがDC24V/4Aと仕様で謳われていたのでRA/DEC両軸同時に動くとMax8Aが必要となるのでDC24V/10A(=240W)電源を使いました。

また。制御部の電源や各信号端子の配置に悩みました
制御ボックス_入出力端子検討 端子配置検討

CADで各端子の寸法を描き、配置を決めてプリントアウトし両面テープでプラボックスに貼り付けて加工のケガキ線として使いました。CADのプリントアウトは1:1の原寸で出力出来ますので便利です。

自動導入テスト 性能テスト風景

タカハシ FS-128鏡筒にFLI社製 ML-16803冷却CCDカメラを装着しHa(Astrodon 3nm)のフィルタ-による直焦点撮影を行いガイド精度と実際撮影した画像で評価しました。

ばら_ガイド ガイドエラーグラフ

ガイド鏡は口径45mm f=325mmのED鏡筒(BORG 45EDⅡです)でガイドカメラはQHY5L-Ⅱを使いMaxIm DLでガイドしています。ガイドエラーのグラフ(縦軸:ピクセル、横軸:秒)を見て素晴らしい結果ですしRMS値が0.15~0.2という数値も今までで最良の数値となりました。

ばら星雲_FS-128_ML-16803_Ha_20mx4 ばら星雲

でもって肝心の撮影画像ですがなかなかの出来かと思います。
20分露出x4枚をステライメージでコンポジットしPhotoshopで少し調整しただけでガイド性能の評価ですのでスターシャープなどの処理は行っていません。

自宅(標高約100mで関東平野の端)の裏庭で透明度もそれほど良くなかった状況でのテスト撮影でした。鏡筒とカメラの相性も良いようなので自分のベルトドライブ式のJPで遠征撮影に行きたくなりました。
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